「サステナブルファイナンス市場における個人の能力開発に関する分析と提言」の公開について

一般社団法人鎌倉サステナビリティ研究所(Kamakura Sustainability Institute: KSI.)では、サステナブルファイナンスに関わる関係者の人材育成が急務であるという認識から、昨年より調査に取組んでまいりました。

分析・執筆者を金融庁サステナブルファイナンス有識者会議のメンバーなどを務める岸上有沙氏に依頼し、この度「サステナブルファイナンス市場における個人の能力開発に関する分析と提言」としてまとめましたので、公表いたします。


調査の趣旨

経済・金融活動における環境や社会への配慮の重要性が認識されるなか、上場企業における気候変動や人的資本の取り組みと開示、その取り組みの情報収集と評価を行うESG評価・データ提供機関に適用する行動規範、金融機関における気候変動リスクシナリオ分析や投資信託商品におけるサステナビリティ要素の説明強化など、関連する制度の改正・新設が続いている。

こうした急激な環境変化の中、持続可能な環境・社会の構築に貢献する金融(サステナブルファイナンス)が健全な形で機能するためには、資金の出し手、受け手、仲介者であるコンサルタント/アドバイザー、評価機関など、各関係者が十分な知識を身に着け、役割を担うことが急務となっている。

過渡期にあるサステナブルファイナンスの活用と広がりの中、各関係者に求められる役割とスキルについての全体傾向の分析と多様性のある個々の声を拾い上げることで、相互に期待している役割の認識ギャップを明らかにし、今後必要とされる各種教育機会の活用と創出に寄与することを本調査の目的とした。

今回の調査には、 アンケート回答80件、インタビュー回答5件のご協力を頂いた。本調査では定量・定性での傾向分析に加え、傾向に綺麗に収まりきらない多様な個々の生の声をなるべく届ける形でまとめている。持続可能な環境・社会の実現に即した経営・経済・金融を営むにあたって、各々の役割を継続的に議論し見直すきっかけの一つとなることに期待する。



分析・執筆者:岸上有沙氏

オックスフォード大学 アフリカ学修士号 慶應義塾大学 総合政策学部

2019 年 4 月より En-CycleS (Engagement Cycle for Sustainability)という自らのイニシアチブの元、執筆 、講演、対話等を通じて、持続可能な環境・社会に沿う事業とファイナンスの好循環作りに携わる。その一環として、日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)理事、クロノス・サステナビリティ社でのアジア太平洋地域スペシャリスト、金融庁サステナブルファイナンス有識者会議メンバーなどの委員を務める。

それ以前はFTSE Russell本社サステナブル投資部署にて、ESG基準に関する企業対話、ESGインデックスやレーティングの開発と管理を担当した後、2015年より日本を拠点にアジア太平洋地域ESG責任者を務める。


 

各関係者に対して強化すべきスキルが「高い」と選択されたスキルランキング (本編P14)

各関係者に対して強化すべきスキルが「高い」と選択された比率のギャップ分析一覧【自己/他者】 (本編P15)

サステナブルファイナンス能力の向上に受講している・したい・推奨された講座一覧(本編 P49)

 

(別紙1) サステナブルファイナンス市場における個人の能力開発に関する分析と提言 (PDF)


2023年4月

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