COtton
コットンはどこにでもある素材です。
天然素材でありながら用途が豊富なため、繊維産業ではポリエステルに次いで2番目に多く使用されています。 現在、世界のコットン生産量の1%未満がオーガニックコットンで、リサイクルされている割合はさらに少ないのが現状です。
オーガニックコットンの生産量が最も伸びているのは、インド、中国、トルコ、キルギスです。
従来の綿花栽培は、環境、社会、経済的な課題に直面しています。
T-シャツを例にして、サプライチェーンを考えてみましょう。
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■オーガニックコットンとは
有機農法の基準に従って生産されたコットンのこと。
オーガニックコットンの生産にあたり重要なのは、毒性のある化学物質の使用やGMO(遺伝子組み換え生物)の使用が禁じられていることです。栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守り、ナチュラルなプロセスを利用することで、エコシステムや人々、そして健全な土壌を支えます。
オーガニックコットンやフェアトレードに取り組むことで、現在、年間約3億5千万人の人々の健康的な生活が支えられています。
オーガニックコットンは世界18か国で生産されていますが、トップ5か国で世界のオーガニックコットンの92%を栽培。そのうちインドだけで56%を栽培している。
インド
中国
キルギスタン
トルコ
タジキスタン
■コットンの種から収穫まで
■収穫から製品になるまで
出所)aboutorganiccotton.org
■オーガニックコットンと通常のコットンの違い
オーガニックコットン栽培
人工的な処理をされていない種子を使用し、遺伝子組み換え種子は使用しない
間作、中間作、コンポストを用いて、有機的な土づくりを行う
土壌の有機物のおかげで、水分が効果的に保持される
耕作と除去によって発芽をコントロールする
健全な土壌によって、害虫と自然界の捕食者間のバランスを維持。
昆虫を誘い出す誘引作物をつくる
自然に任せた落葉
水管理によって落葉を促進
出所)aboutorganiccotton.org
通常のコットン栽培
防カビ剤や殺虫剤が投与された種子や遺伝子組み換え種子が使用されている
合成化学肥料が使用される
単一作物農耕が占めていることにより、土壌の流出を招く
灌漑に依存する(河川水や海水)
除草剤の使用により雑草の発生を抑える
雑草を枯らす除草剤散布
害虫駆除に殺虫剤を使用する
よく使われている9種の薬剤は非常に毒性が高く、5種は発がん性の可能性がある
落葉されるために薬品を使用している可能性がある
■オーガニックコットンを使用することで軽減される環境インパクト
オーガニックコットンを選ぶと、衣服の1枚でも水やエネルギーそしてCO2排出量が削減されます。例えばT-シャツとジーンズでこれだけの違いがあります。1人1人の意識を変える事で大きなインパクトになります。
※上記はテキスタイルエクスチェンジ提供のライフサイクルアセスメントデータとG-starの平均的衣類の重さのデータに基づき、予測された数値です。
出所)aboutorganiccotton.org
■オーガニックコットンを使用しているブランド (2016年データ)
出所)aboutorganiccotton.org
■関連する認証
出所)SupplyCompass Sustainable Fashion Guides
■新たな取り組み
リジェネラティブ・オーガニック認証(RO認証)
リジェネラティブ・オーガニック農法とは、オーガニック農業の最善部分を基礎に構築した、土壌の健康、動物福祉、労働、農家に配慮した新しい農法。次世代の農家の循環サイクルをつくるものとされる。
従来の農業では、排出するCO2が全体の最大25%を占めると言われ、農業が気候変動を深刻化させる大きな原因となっているのに対し、リジェネラティブ・オーガニック農法では、土を耕さず雑草や植物などの有機物で土の表面を覆うことで、多様な生物からなる豊かな土壌をつくる。
つまり、環境負荷を低減するだけではなく、実施すればするほど、環境や土壌が改善し再生され、本来の力を取り戻すことのできる農業と言われている。
認証設立を支援したパタゴニア社のキャンペーンサイトより動画を紹介する