[KSIコラム]ネットゼロに向けて不可欠な多排出セクター「移行計画」の現状 計画の信頼性確保のため欠かせない 具体的対応策の開示

2020年に菅政権下で日本政府は2050年までにネットゼロの達成を目指すと宣言、それ以降、企業が相次いで2050年ネットゼロへのコミットメントを表明しています。この目標に向けては、野心的かつ科学的根拠に基づいた企業の気候移行計画が必要であり、特に2050年ネットゼロ達成のマイルストーンとされる2030年目標に向けて、短・中期的な目標や行動計画の策定が急がれます。しかし、パリ協定に基づく1.5℃目標に整合し、バリューチェーン全体を含む計画の策定、そして目標を達成するための具体的な計画の開示はまだ十分行われているとは言えません。

本稿では、いま求められている移行計画(トランジションプラン)とは何か、共通認識が形成されつつある要素を整理し、日本の多排出セクターにおいてどの程度移行計画の策定が進んでいるのか、そして今後に向けた課題を整理します。

reportAya Shiraishicolum