■コース一覧

(1)サステナビリティ基礎講座 (2018年6月スタート予定 第0期)

どの業界でも必要とされるサステナビリティの基本の考え方を網羅的に学ぶ。

分野:業界を横断し学ぶ。

(例:環境、人権、サプライチェーン、ビジネスモデル、資金調達、PR、投資、コーポレートガバナンス)

 

(2)サステナビリティ専門講座 (2019年1月スタート予定) 

業界/分野に特化して学ぶ。興味関心に合わせトピックを選び、自身の専門性を深めていく。

分野:専門性を磨く

(例:ESG投資, ESG アナリスト, 責任調達, リスク分析, コーポレートガバナンス, 環境)

 
 
 

■ 講座詳細

(1)サステナビリティ基礎講座 (2018年6月スタート予定 第0期)

pexels-photo-442559.jpeg

Sustainability

 

基礎講座

概要:基礎講座ではサステナビリティの大きな流れを理解し、全体像を掴む事に重点を置く。その為、業界分野を絞らず、各業界の課題とそれに対する様々な取組を学ぶ。講師はサステナビリティ分野で現在ご活躍されている方々をお迎えし、シリーズを通してサステナビリティとは何かを考え、基本的な共通理解を深める。

対象:社会人

サステナビリティについて興味がある。基礎知識からしっかり学びたい。業界を横断してサステナビリティを学びたい。これからの未来について考えたい人を対象。

■カリキュラム

第1回 Sustainability × サプライチェーン

企業の社会的責任を考えるとき、サプライチェーンに対する責任は大きな柱の一つである。グローバルで複雑化するサプライチェーンにはどのような課題があるのか、アパレル産業を事例に今後の企業に求められる責任を考える。 

 

第2回 Sustainability × 金融 / レポート

企業活動の血液ともいえるお金の流れを理解し、より良い企業の評価方法や投資構造を考える。社会的投資、ESG投資、環境金融といった視点を学び、今後のあるべきお金の流れを考える。また、企業の立場として自社の活動を正しく理解してもらうには、適切な情報発信が必要である。レポートの重要性と求められる開示情報について学ぶ。 

 

第3回 Sustainability × 人材

ダイバーシティ(多様性)という言葉とともに、多くの企業があらゆる人材を組織に巻き込む取組を進めている。どのような人材活用が進められているか現場での最新事例から、企業の取組を学ぶ。後半は、実際に企業を評価する立場から、どのように評価できるのか。実践と評価の関係について考える。

 

第4回 Sustainability × 環境

企業活動が及ぼす環境への悪影響について、数十年前から警鐘を鳴らされ続けてているが、私たちの生活する地球は現在どんな状況なのだろうか。国家、企業、投資家、それぞれの視点から環境問題を考え、過去から現在、そして未来の可能性を考える。

 

第5回 Sustainability × 新規事業

新規事業を立ち上げる際、利益だけでなく持続可能性も当然の事ながら求められる。どのような視点で事業を組み立てていく必要があるのか、これからの社会に求められるビジネスモデルとはどのようなモデルなのかを考える。

 

第6回  最終発表

それぞれが興味のあるトピックについて研究し発表する。コースで学んだ事の振り返りとそれぞれが学んだ事の共有。

懇親会。

 

■ 授業日程

 ※毎月原則 第2日曜日 1:00-5:00 pm 

オリエンテーション 6/10 (1:00-5:00 pm)

第1回 7/8

第2回 8/12

第3回 9/16 (※第3日曜日)

第4回 10/14

第5回 11/11

第6回 12/9 

 
 

■ 場所

神奈川県鎌倉市 鎌倉駅周辺

(参加者にはおって詳細ご連絡いたします。)

 

 

 

 

 
 

■ Report

34962889_1717188175035199_8269721432640978944_n.jpg

オリエンテーションレポート

6月10日 葉山にある築85年の古民家でオリエンテーションが開催されました。
当日は生憎の雨でしたが、都内だけでなく地方からもお集まり頂き、無事キックオフをする事ができました。
0期は、金融、メーカー、製薬、メディア、行政、大学等、様々な業界から、経験豊かな皆様にお集まり頂いております。既にオープンな議論が起こっており、これから半年の学びがとても楽しみです。

 

第0回 オリエンテーションレポート : 自分にとっての「サステナビリティとは何か」を発見できる学び舎

IMG-5742.JPG
IMG_6615.jpg

「サステナビリティ」とは、世界の先進的な企業のみならず、あらゆる企業にとっていまや必須の概念であると言われています。ESG投資が叫ばれる今日、日本企業においても「サステナビリティ」の重要性は規模の大小を問わず高まっている。
 しかし、ビジネスパーソンが日々の仕事を通じ、実際に「サステナビリティ」を自分事として意識する機会は少なく、かつては私自身もそうでした。そんな中、近年、自社の取り巻く環境の変化・競争が強まったことにより、自社の企業活動の永続性について考えさせられる機会が多くなりました。そして、社員ひとりひとりが自社の「サステナビリティ」をより意識することで、リスク回避や、時には企業活動の幅を広める好機に繋がるのではないだろうかと感じるようにもなりました。こうしたことから、私はひとりの企業人として、「サステナビリティ」という概念、および自社にとっての「サステナビリティ」について、もっと深く学びたいと考えるようになりました。

とはいえ、日本においては「サステナビリティ」を包括的に学べる場がまだまだ少ない。そのため、今回本研究所で学べる機会を得たことは、大変貴重なことだと感じています。第1回目のオリエンテーションを終え、高い意識をもった様々な業界・業種の経験が豊かなメンバーが揃っていることに驚きました。あらゆる壁を取っ払い、座談会のように自由に発言ができることも大きな魅力です。

また、自分の捉えている「サステナビリティ」の考えが、自身の経験や業界に囚われたものであることも分かりました。
彼らと共にこれから、学び、議論することで、自社にとっての「サステナビリティ」の取組みを充足させる新たな知見を得られるのではと期待しています。そして、ここで得た知見をもとに、「サステナビリティ」を社内外に発信し、促進していく役割を担っていきたいと考えています。

池尻 圭井子 (製薬会社勤務)

 

第1回 Sustainability × サプライチェーン 講座レポート

supplychain.jpg

2018年7月8日、鎌倉サステナビリティ研究所第1回目は「Sustainability × サプライチェーン」について学びました。

日曜日の13時半〜17時まで、家を出る時はあまりの暑さに少々おっくうだな(^^)なんて、怠けた考えが頭をよぎりましたが、議論の前に視聴した
"The true cost''という映画を見て一気に目が覚めました。

昨日着ていた服がファストファッションだったせいもあって、この服脱ぎたい!と正直思いました。

このファストファッション産業の背後に、自らの命の危険にさらしながら、劣悪且つ超低賃金で、働けども働けども月にわずか2万円も手に出来ない、人権を無視され続ける労働者達とそれをビジネスとして正当化する巨大なアパレル産業の
構図を目の当たりにして、 

資本主義において、搾取する側と搾取される側という構図は決して変えられないのか?

社会的責任を全うする企業の製品を買いたいと、
消費者を啓蒙したりマーケティングする事は出来ないのか?

などなど…、簡単には解決出来そうにない大きな問いに胸を締めつけられそうになりながらも、
自分に何が出来るか?私が働く企業の製品やサービスを介して何が出来るのか?真剣に考えた3時間半でした。

深い学びを与えてくれた、研究所とそこに集う仲間達に感謝です。

 

関本 由紀子(化粧品会社・マーケティング本部 勤務)

 

第2回 Sustainability × 金融 / レポート 講座レポート

finance.JPG

前回と前々回の講座に参加して、サスティナビリティというものがなんとなく分かってきた…くらいの理解レベルであった私にとって、今回の「Sustainability × 金融 / レポート」というテーマは、ほぼ未知の世界でした。


 事前課題(英国のESG投資家のAberdeen Standard Investmentsの英文レポートを読んでその感想を提出する)についても、久しぶりに英文の資料を読む機会となり、ネットの機械翻訳機能と英語辞書を駆使して何とか提出する…という状態でした。

 そのような状態で参加した今回の講座は、青山ビジネススクール(ABS)の卒業生グループによる丁寧かつ熱のこもった発表から始まり、次に特別顧問の北川哲雄教授によるテーマの解説があり、最後に現在進行形で博士課程において研究をされている櫻井様の発表によって締めくくられました。総じて専門用語が多く少々難解ではありましたが、事後に事務局から配布された発表資料を見なおす作業と合わせれば、ほぼ内容を理解することができ、知見を広げることができて、非常に有意義であったと思います。

 今回の講座の中で特に印象に残ったのは、北川哲雄教授によるテーマの解説のなかで、納税は社会貢献であるとして、租税回避(違法ではないが税法が想定していない方法で税負担を減らすあるいは免れること)を行わないことを宣言して、それを統合報告書に記載している製薬会社の紹介があったことです。誰しもが税金を払わなくなれば、公共サービスが提供できなくなり、社会がサスティナブルではなくなります。私は現在、税務会計の職に就いており、税金・税制とサスティナビリティとの関連に関心があったため、大変参考になりました。また、櫻井様のユニリーバ研究発表のなかで、同社がサスティナビリティへの取り組みを、サスティナビリティに関する問題の未然防止対策として捉えているという点が印象に残りました。このような視点は、日本の社会実業家といわれる渋沢栄一、武藤山治、大原孫三郎らにも通じるものであると理解することができて、大変参考になりました。


 今後も、鎌倉サスティナビリティ研究所での学びを続けていきたいと思います。

 

粕谷秀幸(税理士法人勤務)
 

 

第3回 Sustainability × 評価・エンゲージメント 講座レポート

IMG_7484.jpeg
IMG_7481.jpeg

第3回目となる9月の講座は北川先生の欧州視察レポートから始まりました。 

約2週間におよぶEUを横断しての視察のお話は非常に興味深いものでしたが、特に印象に残ったのはUKで面談されたアメリカ人アナリストの方が「米国企業はまだまだお子様」という内容のコメントをしていたというエピソード。米国企業はInnovationでは世界を牽引しているもののSustainabilityという観点では企業として未熟ということなのでしょうか? 

米国西海岸のテクノロジー企業である私の勤務先では会社の支援のもと環境や教育領域でのCSR活動が盛んに行われていますが、それが企業活動に大きな影響を与えるものとは捉えられてはいないという印象は確かにあり、少々複雑な心境となりました。

一方、今回のメインテーマである「Sustainability × 評価・エンゲージメント」では「ニッセイアセットマネジメント ESG推進室/投資調査室 チーフ・アナリスト 林 寿和様と株式会社Waris 小崎 亜依子様からの講義のあと、医薬品、食品、アパレル、エレクトロニクス、金融という業界に分けたグループをつくりESG投資の課題をディカッション、その結果をプレゼンテーションするというワークショップが行われました。

投資という観点から何を課題として企業を評価するのかをグループでディスカッションすることで、これまで「もやっ」としていた投資評価という観点からのSustainabilityが、すこしではあるものの腹落ち感を伴ったものとなったように思います。 

3回の講座を終え、専門家による講義、参加者でのワークショップ、そして最後にはトピックを選んでの研究といろいろな手法で「Sustainabilityを学び、考える」機会を与えてくれる研究所の活動に感謝しつつも、ここでの学びをどのように「自分事」にしていくかというチャレンジも痛感しています。

昇塚 淑子(ソフトウエア勤務)

 

第4回 Sustainability × 環境

environment

灼熱の夏が遠い昔のような肌寒い日曜日。鎌倉商工会議所は熱気に満ちていました。日本銀行の泉晋様と日本総研の足達英一郎様そろい踏みの講座です。

先ずは泉様から「ESG金融の普及に向けて」の講話。気候変動リスクは小さく見積もっても2.5兆米ドルに及び、火災保険の参考純率も見直されたといったショッキングな事実が明かされました。パリ協定が平均気温を2度下げることを目標に置く背景には、閾値を超えると不可逆的な不確実ゾーンに突入してしまう懸念があるためとの説明には背中が凍りつきました。各国が気候変動に危機感を寄せる中、オーストラリアの金融庁はそれを金融リスクとして捉えて早々に自国の政策にビルトインしていると聞き、彼我の差を痛感しました。

パリ協定に合わせて2015年には気候変動の財務的インパクトを開示するTCFDがスタートしました。世界の中央銀行が加盟しているのは、関心の高まりの証左であるとのコメントは納得感があります。対応が加速しつつあり、日本でも省庁間でバラバラであった見方から政策のハーモナイゼーションに移行している、との泉様のコメントは政策を作る側に近い立場だけに印象的でした。

続いての足達様からの講話は、「日本企業がSDGs達成に真に貢献するためには、何を変えなければならないか」と題するもの。SDGs達成に向け経団連が大号令を発するも担当者は「スタートが切れない」、「煮詰まらない」、「動けない」といった悩みを抱えている実態を指摘されました。現場との乖離が浮き彫りになりました。「脱炭素」や「SDGs」といった言葉に「ワクワクする」という海外勢をよそに、日本ではそれらの言葉に違和感を覚える人が多いとの指摘には寂しく頷いたものです。

日本ではプラスチックのリサイクル率が80%と最高レベルもあるも、その半分はサーマルリサイクル(燃料として燃やすだけ)のため、欧州ではリサイクルとは認められづらいそうです。欧州のプラスチックメーカーは、再生する仕組みや再生する工場も含めてパッケージで途上国に売り込もうとの意図も透けて見えることから、欧州は規格作りにしたたかとの評価がありました。とはいえ、欧州企業のサステナビリティへの取組みは先鋭的であるのは間違いなく、自社が直面するジレンマまでも開示する企業(オランダのABNアムロ銀行など)もあるとの説明には驚きました。「CSRとはステークホルダーに鍛えられる経営を選択すること」との締め括りは名言だと唸りました。豪華二本立てにサステナビリティへの関心が深まった一日となりました。

櫻井功男 (食品メーカー勤務)